Gitコース

Gitの基礎

リモートリポジトリと GitHub 連携

このチュートリアルでは、Gitにおける「リモートリポジトリの概念」として、`origin` や `upstream` という用語の意味や使い分けについて学びます。
GitHubとの連携を行う準備として、ローカルリポジトリとリモートリポジトリの関係性を理解することが目的です。

## 前提条件

- Gitがインストールされていること
- GitHubアカウントを持っていること（未登録の場合は事前に登録してください）
- 基本的なGit操作（`git init` や `git add` など）を終えていること

## リモートリポジトリとは？

リモートリポジトリとは、インターネット上に存在する **共有用のGitリポジトリ** です。
GitHubのようなサービスに置かれており、複数人でコードを共有したり、バックアップを取る役割があります。

### ローカルとリモートの違い

| 種類           | 説明                                     |
|----------------|------------------------------------------|
| ローカルリポジトリ | 自分のパソコン内にあるGit管理されたプロジェクト |
| リモートリポジトリ | GitHubなどのサービス上にある共有用のリポジトリ |

### `origin` と `upstream` の違い

Gitでは、リモートリポジトリに名前（リモート名）を付けて管理します。

- `origin`: 自分が **クローン元** にしたリモートリポジトリ。通常は自分が更新する先（push先）です。
- `upstream`: オープンソースなどで **元となる開発元のリポジトリ**。フォークしたリポジトリの親となります。

### 具体的なイメージ

たとえば以下のような構成です。

- GitHubにある公式のオープンソースプロジェクト：`upstream`
- それを自分のアカウントでフォークしたもの：`origin`
- 自分のローカルPCにクローンしたもの：ローカルリポジトリ

## 実施手順

### 1. リモートリポジトリの一覧を確認する

現在のリモート設定を確認してみましょう。

~~~bash~terminal
git remote -v
~~~

<terminal filename="出力結果">
origin  https://github.com/yourname/my-repo.git (fetch)
origin  https://github.com/yourname/my-repo.git (push)
</terminal>

`origin` という名前でリモートが設定されていることが分かります。

### 2. `upstream` を追加する（必要な場合）

フォーク元のリポジトリを追跡したい場合は、次のように `upstream` を追加します。

~~~bash~terminal
git remote add upstream https://github.com/original-author/project.git
~~~

追加されたかどうかを確認します。

~~~bash~terminal
git remote -v
~~~

<terminal filename="出力結果">
origin    https://github.com/yourname/project.git (fetch)
origin    https://github.com/yourname/project.git (push)
upstream  https://github.com/original-author/project.git (fetch)
upstream  https://github.com/original-author/project.git (push)
</terminal>

### 3. `upstream` から変更を取得する（参考）

`upstream` の変更を取り込むときは、次のようなコマンドを使います。

~~~bash~terminal
git fetch upstream
git merge upstream/main
~~~

## 補足

- `origin` や `upstream` は単なる「名前」です。`git remote add <name> <URL>` で自由に設定できます。
- チーム開発やオープンソース開発では、`origin` と `upstream` を明確に使い分けることで混乱を防げます。

## まとめ

このレッスンでは、Gitのリモートリポジトリに関する基本的な用語と構成を学びました。

- リモートリポジトリとは何か
- `origin` と `upstream` の違い
- `git remote add` でリモートを追加する方法

次のステップでは、実際にGitHubにリポジトリを作成し、`git remote add` を使って連携していきましょう！


リモートの概念 (origin / upstream)

このチュートリアルでは、GitHub上に新しいリモートリポジトリを作成し、それをローカルリポジトリと連携する方法を学びます。
Gitの基本操作を終えた方が、リモートリポジトリの活用にステップアップするための第一歩となる内容です。

## 前提条件

- Gitがインストールされている
- GitHubアカウントを作成済みである
- ローカルにGitリポジトリが存在する（`git init` 済み）

## GitHubリポジトリとは？

GitHubリポジトリは、クラウド上にある **Gitの保管場所** です。
チームでの開発やバックアップ、公開用のソースコード管理に活用されます。

GitHubのリポジトリを作ることで、ローカルの変更を共有したり、他の人と協力して開発を進めることができます。

### リモート連携の流れ

1. GitHub上に空のリポジトリを作成
2. ローカルリポジトリとGitHubリポジトリを接続（`git remote add`）
3. ローカルの変更をGitHubにアップロード（`git push`）

## 実施手順

### 1. GitHubで新しいリポジトリを作成

1. GitHubにログイン後、右上の **[＋]** メニューから **[New repository]** を選択します。
2. 以下の情報を入力します：
   - **Repository name**：任意の名前（例：`my-first-repo`）
   - **Description**（任意）：リポジトリの説明
   - **Public / Private**：今回は `Public` で問題ありません
3. **[Initialize this repository with:]** のチェックは外しておきます（ローカルと競合を避けるため）
4. **[Create repository]** をクリックします。

これでGitHub上に空のリモートリポジトリが作成されました。

### 2. `git remote add` でリモート接続する

GitHubが表示する「リモート設定用のコマンド」を使って、ローカルリポジトリと接続します。

~~~bash~terminal
git remote add origin https://github.com/あなたのユーザー名/my-first-repo.git
~~~

### 3. リモート接続の確認

ちゃんと接続されているか確認してみましょう。

~~~bash~terminal
git remote -v
~~~

<terminal filename="出力結果">
origin  https://github.com/yourname/my-first-repo.git (fetch)
origin  https://github.com/yourname/my-first-repo.git (push)
</terminal>

### 4. 初回コミットとGitHubへの反映

ローカルにすでにファイルとコミットが存在する場合。

~~~bash~terminal
git push -u origin main
~~~

もし `main` ブランチが存在しない場合、現在のブランチ名（例：`master`）を確認して適宜変更してください。

~~~bash~terminal
git branch -M main
git push -u origin main
~~~

## 補足

- **remote already exists** というエラーが出た場合、すでにリモートが追加されている可能性があります。  
  `git remote set-url origin <URL>` を使ってURLを更新できます。
- GitHubのリポジトリを初期化済み（READMEなどあり）の場合、`git pull` してから `push` する必要があります。

## まとめ

このチュートリアルでは、GitHubに新しいリポジトリを作成し、ローカルと連携する方法を学びました。

- GitHubでリモートリポジトリを作成する
- `git remote add` でリモート接続する
- `git push` でGitHubにアップロードする

次は、GitHubリポジトリをローカルにクローンする方法や、`push`/`pull` を使った開発フローを学んでみましょう！


GitHub に新規リポジトリ作成

このチュートリアルでは、GitHub上のリポジトリをローカルにクローン（コピー）する方法、ローカルでの変更をリモートにアップロード（push）する方法、そして最新の変更を取得（pull）する方法を学びます。

リモートリポジトリとの連携は、チーム開発やバックアップのために非常に重要です。
ここでは、実際に手を動かしながら基本的な操作を体験してみましょう。

## 前提条件

- Gitがインストールされている
- GitHubアカウントがあり、リモートリポジトリが存在する（前のレッスンで作成済み）

## Gitのリモート操作とは？

Gitの強力な機能のひとつに「ローカルとリモートの連携」があります。  
以下の3つは特に重要な操作です。

| コマンド | 役割 |
|----------|------|
| `git clone` | GitHubからプロジェクトをコピーしてくる |
| `git push` | ローカルの変更をGitHubにアップロードする |
| `git pull` | GitHubから最新の変更を取り込む |

## 実施手順

### 1. GitHubからリポジトリをクローンする

GitHubで作成したリポジトリのURLをコピーして、以下のようにコマンドを実行します。

~~~bash~terminal
git clone https://github.com/あなたのユーザー名/my-first-repo.git
~~~

成功すると、新しいフォルダ `my-first-repo` が作成され、その中にGitリポジトリが複製されます。

<terminal filename="出力結果">
Cloning into 'my-first-repo'...
remote: Enumerating objects: 3, done.
remote: Total 3 (delta 0), reused 0 (delta 0), pack-reused 3
Unpacking objects: 100% (3/3), done.
</terminal>

### 2. クローンしたフォルダに移動してファイルを編集

クローンしたプロジェクトに移動して、実際にファイルを編集してみましょう。

~~~bash~terminal
cd my-first-repo
echo "GitHub連携テスト" > test.txt
~~~

### 3. ファイルを追加してコミットする

編集したファイルをGitに登録し、変更履歴として記録します。

~~~bash~terminal
git add test.txt
git commit -m "Add test.txt for GitHub push test"
~~~

<terminal filename="出力結果">
[main xxxxxxx] Add test.txt for GitHub push test
 1 file changed, 1 insertion(+)
 create mode 100644 test.txt
</terminal>

### 4. GitHubに変更をアップロードする（push）

ここでリモートリポジトリにアップロード（push）を行います。
初回はユーザー認証（PATなど）が求められます。

~~~bash~terminal
git push origin main
~~~

<terminal filename="出力結果">
Enumerating objects: 5, done.
Counting objects: 100% (5/5), done.
Compressing objects: 100% (2/2), done.
Writing objects: 100% (3/3), done.
To https://github.com/yourname/my-first-repo.git
 * [new branch]      main -> main
</terminal>

### 5. GitHub上の内容をローカルに取り込む（pull）

他の人が変更を加えた場合や、別PCで編集した内容をローカルに反映したいときは `pull` を使います。

~~~bash~terminal
git pull origin main
~~~

<terminal filename="出力結果">
Already up to date.
</terminal>

## 補足

- `git push` 時に「authentication failed」などのエラーが出た場合は、PAT（パーソナルアクセストークン）を使用して認証してください。
- `pull` でコンフリクト（衝突）が起きた場合は、どちらの変更を優先するかを選択して手動で修正する必要があります。

## まとめ

このチュートリアルでは、以下のリモート操作を実践しました。

- `git clone`：GitHubリポジトリをローカルに複製
- `git push`：ローカルの変更をGitHubにアップロード
- `git pull`：GitHub上の変更をローカルに取り込み

これで、基本的なGitHub連携の操作ができるようになりました！
次は、HTTPSで安全にpushするために「PAT（パーソナルアクセストークン）」を使った認証に進んでみましょう。


git clone・push・pull 実践

このチュートリアルでは、HTTPS 接続で GitHub にアクセスする際に必要となる「パーソナルアクセストークン（PAT）」を使った認証の方法を学びます。
2021年以降、GitHub はセキュリティ強化のためにパスワードでの HTTPS 認証を廃止し、代わりに PAT を使うことを推奨しています。
ここでは、実際に PAT を発行し、Git の認証に使えるように設定していきましょう。

## 前提条件

- GitHub アカウントを持っている
- Git がインストールされている
- GitHub 上にリポジトリを作成済み（前のレッスンで作成）

## PAT（パーソナルアクセストークン）とは？

パーソナルアクセストークン（Personal Access Token）は、GitHub での操作を安全に行うための「パスワードの代わり」です。
これにより、HTTPS 接続でもセキュアに push / pull などの操作ができます。

### PATの利点

- GitHubのセキュリティポリシーに準拠できる
- アクセス範囲（スコープ）を細かく設定できる
- 必要に応じてトークンを失効・再発行できる

## 実施手順

### 1. GitHub にログインする

まずは、以下のURLにアクセスして GitHub にログインします。
[https://github.com/login](https://github.com/login)

### 2. パーソナルアクセストークンの作成画面を開く

以下のページにアクセスして、新しいトークンを作成します。
[https://github.com/settings/tokens](https://github.com/settings/tokens)

**[Generate new token (classic)]** ボタンをクリックしてください。

### 3. トークンの情報を入力する

以下のように設定します。

- **Note**（メモ）: 例 `git access from laptop`
- **Expiration**（有効期限）: 90日やカスタムなど任意で選択
- **Scopes（アクセス範囲）**: `repo` にチェック（リポジトリ操作用）

最後に **[Generate token]** をクリックすると、トークン文字列が表示されます。

### 4. トークンを安全な場所に保存する

発行されたトークンは**一度しか表示されない**ので、テキストエディタやパスワード管理ツールなどに安全にコピー・保存してください。

例：

```
ghp_xxxxxxxYourGeneratedTokenHerexxxxxxxxx
```

### 5. Git 操作時に PAT を使って認証する

push などの操作を初めて行うときに、GitHub のユーザー名とパスワードの入力が求められます。

- **ユーザー名**：GitHub のユーザー名（例：`yamada123`）
- **パスワード**：PAT（先ほどコピーしたトークン）

<terminal filename="出力結果">
Username for 'https://github.com': yamada123
Password for 'https://yamada123@github.com': (ここにPATを貼り付け)
</terminal>

### 6. トークンを毎回聞かれないように保存する（キャッシュ）

毎回入力するのが面倒な場合は、Git にキャッシュさせましょう。

~~~bash~terminal
git config --global credential.helper cache
~~~

または、macOS の場合はキーチェーンへの保存も可能です。

~~~bash~terminal
git config --global credential.helper osxkeychain
~~~

Windows の場合は以下の次のコマンドを入力。

~~~bash~terminal
git config --global credential.helper manager-core
~~~

## 補足

- トークンを紛失した場合は、新しいものを発行しましょう
- セキュリティのため、定期的な再発行をおすすめします

## まとめ

このチュートリアルでは、GitHub の HTTPS 認証に必要な PAT（パーソナルアクセストークン）の発行と設定方法を学びました。

これで、GitHub 上のリモートリポジトリに安全にアクセスできるようになります！  
次は、ブランチを活用した複数人開発のワークフローにもチャレンジしてみましょう！


3. git clone・push・pull 実践